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星の降る夜に  作者: 美桜
金枠のうさぎ
5/13

2-2



お弁当オベント嬉しいなー!とポルスが作ったお弁当の入った木のカゴをブンブン振りながらスキップする。教えたのは私だが……懐かしいなー。小さい頃、お弁当食べる前に歌ったよなーそもそも今は給食か?なら、お弁当のところが給食に………………と考えていればスキップしていたポルスが突然立ち止まった。



距離があいていたこともありぶつかることはなかったが、突然止まったら危ないことを伝えようとしたが…………その前に、お弁当の入ったカゴを投げ出して駆け出すポルス。



カルスとテギウスが追いかけるのを横目に、ひっくり返ったお弁当箱を見て苦笑しながら拾い上げ、少し先に投げ出されたカゴを拾いその中にいれなおし、少し先でなにかを見下ろすテギウス達のところに歩きよる。




「どうした?」



「スバル…………この子怪我してる…………」




そう言って抱き上げて私に見せて来たのはピンク色のもふもふしたウサギだった…………



「…………ポルス、その子をどうしたい?」



「治してあげたい…………」



「そう。ならピクニックの予定は変更。帰って手当してあげよう」




えっ…………という表情をしながらもウサギがきになったのか頷いてその子を抱いたまま来た道を戻り始めるポルス。私は周りを見渡しこちらを心配そうに見ていたポルスの友達のリスを手招いて耳元に口を寄せ、あの滝までとは言わなくても、家の近くにあるピクニックスポットを後で教えて欲しい。と言えばリスは私をじっと見てから大きく頷いて木を伝ってポルスの後を追う……それをみながらも私はノソノソと3人と2匹の後を追うことにした。




______





「この子の怪我が明日には治っていますように…………さて、これでもう心配いらない」



そう言って、包帯を巻き終えピンクのうさぎから視線を離す。ポルスは安心したようにホッと息を吐く。そんなポルスの頭を撫でてお弁当の入ったカゴを手に立ち上がる。




「さて、行こうか?」



「え?」



「ピクニック。せっかくお弁当を作ったのに…………行かないなんてもったいないじゃないか」




でも……とうさぎを見るポルスに窓の外にいるリスを指さし、ポルスのお友達が家の近くでピクニックができる場所を教えてくれるって。それに、家の近くならテギウスが少しの変化でも感じ取って教えてくれるだろ?と言えば頷いてウサギにタオルをかけて頭を撫でてから私の手に持たれていたカゴを手に家から出て、リスの後を着いて歩く。



案内されて着いた場所は穏やかに流れる川があり、その両側には星の様な花を咲かせた小さな可愛らしい花の花畑があった…………その花を見たテギウスはススモルか……と呟いた。




「ススモル?」



「ススモルはもうこの世界から消滅したと思っていたが…………そうか、あの木に実が着いたからか。西の国に伝わる精霊華みたいなものだな。煎じて飲めば不治の病を治すと言われ……1輪、1000万で取引されているらしい」




「いっせんまん…………ここにある花を全部売ったら使用人雇って一生寝て過ごせるな」



「なんだ?使用人が欲しいのか?」



「使用人と言うより、双子の世話をしてくれたり勉強を教えてくれたり…………まぁ、私にできないようなことを代わりに教えてあげてくれる人が欲しいな……」



「…………それなら、お主が願えば良いでは無いか。我らが女神は叶えてくれよう」




考えもしなかったテギウスの言葉に帰ったら願うことにしてススモルを見つめる。なんだとらんのか?とニヤリと笑うテギウスに私はとらない。と返した。




「売る必要もなくなったし、わざわざ咲いてるところをちぎるのは違うでしょ?」



「お主…………花にそのようなことを言う柄か?」




なんて笑うテギウスに、ワーキレイ!とか言いながら踏み潰すタイプ。と笑い川で遊んでいる双子を眺めながら、川の近くに置かれた荷物の近くに腰を下ろす。



サワサワと木や草が風になびくいいおとに耳を傾け、目を瞑り横になる。そんな私の近くに腰を下ろしたテギウスは、なんだ。踏まんのか。と笑っているのを聞きながら双子の声と自然の音に耳を傾けた。




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