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第三部「蛇のくちづけ」第2話(完全版)

 幼い時から、京子きょうこの力はタミをしのいだ。

 あの世の者が見えるだけではない。まだ除霊までは出来なかったが、死者と会話が出来た。

 そして未来を見ることが出来た。

 それはタミでも難しい力。

 しかもそれは、能力の強さだけの事ではない、とタミは感じる。


 ──……幼くして…………宗教が何かを理解している…………


 京子きょうこのその力は村人から感謝されると同時に、やがて神社そのものも村の外でまで有名になっていった。

 京子きょうこが五才の時。

 午後のはらい事の後。

 大きく陽が入り込む本殿ほんでんの中心で、京子きょうこは天井を見上げていた。

 それに気が付いたタミが近付く。

京子きょうこや……どうしたんだい?」

 顔を下げた京子きょうこは、タミの姿を見て笑顔を浮かべた。


 ──……天井に気が付いてるね…………


 タミは祭壇さいだんの前にひざを降ろすと、京子きょうこに背中を向け、声をかける。

「隣においで」

 京子きょうこがタミの横に正座をするが、その姿は幼い子供そのもの。

「水晶は持ってるかい?」

「うん!」

 京子きょうこは首のチェーンを手繰たぐり寄せ、胸元から二つの水晶を出して見せる。

 その水晶は京子きょうこがいつでも持ち歩けるようにと、ネックレスとして首に下げられるように加工されていた。タミの指示だった。

 その二つの水晶に、タミは軽く手をえる。

 熱かった。

「……熱くはないかい?」

 すると京子きょうこは、タミの顔を見上げて不思議そうな顔をして応えた。

「熱くないよ……?」

「そうかい……ならよかった…………」


 ──……覚悟が、必要みたいだね…………


 昭和五三年。

 京子きょうこ一〇才。

 小学校五年生の時だった。

 朝、いつものようにランドセルを背負って家を出ようとした時、不意に玄関先で京子きょうこが言った。

「一ヶ月だけ行ってくるね」

 父の清吉きよきちも、母のよりもその言葉の意味を全く理解出来ずに、京子きょうこはそのまま学校へと向かう。

 しかしそれを祖母のタミに報告すると、タミは突然に声を張り上げた。

「どうして行かせたんだい! 今すぐ探しな!」

 その日、京子きょうこは学校には行かなかった。

 すぐに警察に捜索願いが出されたが、足取りが全く掴めないままに時間だけが過ぎていく。

 田舎の小さな村。しかし目撃者すらも見付からない。

 タミは祈祷きとうを続けたが、何の手がかりも掴めないままに一日、そして一日。

「あの子は一ヶ月と言った…………必ず戻ってくる…………」

 タミはそう言って連日(いの)り続けた。

 身代金の要請がないので誘拐事件とも考えにくいまま、二週間後には公開捜査となる。警察でも家出をするかのような言動があったことから神経質な捜査が必要となった。

 しかし相手は一〇才の小学生。事件の可能性を考えるほうが自然だ。

 そしてちょうど一ヶ月後、警察から電話が入る。

 確かに京子きょうこが言った通り、一ヶ月後に京子きょうこは見付かった。

 しかしそれは遠くの街。

 とある宗教団体の施設。

 元々その教団は警察の調査対象。

 その日も一人の捜査員が張り込んでいた。ここしばらくは張り込みに穴を空けたことはない。それは教団の動きが活発になってきたことに起因する。

 信者は二〇人程度。決して大きな教団ではなかったが、ここ最近はやけに人の出入りも多くなっていた。

 そんな、ある日の夜。

 教団の施設と言っても、そこは倒産した小さな工場跡の建物。敷地も一般家庭よりは広く、小さなコミュニティーとしては丁度いい規模だったのだろう。しかも周囲に民家は無い。海に近い工業地帯。周囲の目を意識することの多い教団としては都合が良かった。

 その夜は人の出入りも激しくはない。夕方に大きく膨らんだレジ袋を手にした信者が二人入ったきり。

 夜の九時を回った頃。場所的にも静かな空気が流れるだけ。

 だからこそ、その悲鳴はあまりにも突然だった。

 夜空に響いたその甲高い声は、やがて次々と波紋のように広がる。

 空気が震えた。

 驚いた捜査員が車の中から目を凝らすが、何かが見えるわけではない。しかも場所は片側二車線────合計四車線を挟んだ距離。夜になると双眼鏡で何かが見える距離ではなかった。懐中電灯を手に車を降りるしかなく、そのまま周囲に人影が無いことを確認しながら広い道路を横切っていた。

 途中、途端に悲鳴が消える。

 再び辺りが静寂に包まれるが、捜査員は自分の心臓の音の大きさに、そんなことには気が付けないまま。工場の建物に到着し、窓から中をうかがうが、暗く、何も見えない。

 音も声も、聞こえない。

 荒い息のまま、捜査員はドアのノブに手をかけた。

 心臓の鼓動が益々早まる。

 小さく開き、中を覗き込むが、その光景は、ゆっくりと向けた懐中電灯の灯りの中で、初めて見ることが出来た。

 まるで折り重なるように、そんな表現で正しいのか、少なくとも捜査員にはそう見えた。

 何人もの倒れている人影。

 やがて、床からゆっくりと上げた灯りの中に、たった一人で立つ少女。

 光源の矛先ほこさきに顔────鋭い目を向けた京子きょうこだった。

 その目に、捜査員は恐怖したという。

 教団は京子きょうこの力を欲した。

 それは村の外にまで京子きょうこの〝力〟が知れ渡った結果の誘拐だった。

 しかし、その日、その夜、教団の全員が施設内で死亡する。

 全員の首にロープのような物が巻かれた跡があったという。

 そして京子きょうこは保護された。

 誘拐されて監禁されていたとの供述を残すが、それは警察に疑念を残させることとなる。それでも誘拐されたことは事実。傷ひとつなく、それどころか健康状態も良好なまま京子きょうこは家に帰ることとなった。

 もちろん清吉きよきちよりも喜んだが、タミだけは違和感を感じていた。

 PTSDのような精神的な症状が心配されたが、京子きょうこ自身には〝怖い経験をした〟という認識すら無いように見える。決してしいたげられていたわけではないらしいが、大量の人間の死を目撃したようにも見えない。そもそも信者の集団死は謎のまま。

 そしてこの事件はテレビでも大々的に取り上げられた。

 年齢的に京子きょうこは小学生。本来であれば精神的に影響を受けていてもおかしくないはず。周囲の大人たちは誰もがそう思った。

 周りからの過剰な気遣いがありながらも、無事に小学校を卒業。

 そして、イジメは中学校から始まる。

 その発端はやはり誘拐事件からのものだったが、同時に京子きょうこの能力を同級生が〝気持ちの悪いもの〟と認識したことに起因する。しかもそれは陰湿なものだった。

 この頃から、明るく活発だった京子きょうこの表情が変わり始める。口数が減り、神社の催事さいじにも顔を出さなくなっていた。

 そして、同級生が死に始める。

 一人、また一人。

 それは京子きょうこをイジメていた生徒だけではない。異常なペースだった。

 しかも、その全員がなぜか首をロープのような物で締められて殺害されていた。

 殺人事件として当然警察が動くが、すでに警察の捜査の中には京子きょうこがいた。しかしまだ子供だった。警察の中でも京子きょうこの関与を疑う者のほうが多い。それでも過去の誘拐事件の件もあり、可能性が残されたまま、総ての殺人事件が暗礁あんしょうに乗り上げる。


 そして昭和六〇年。

 京子きょうこ一七才。

 高校二年生。

 その夜は雨。

 京子きょうこは高校に入ってからは平穏な生活を続けていた。環境が変化することでイジメと無縁になったからではない。誰も京子きょうこに近付く生徒がいなかったからだ。京子きょうこかもし出す雰囲気が人々を遠ざけていたのかもしれない。

 どこから来るのか分からない、大人びた冷たさ。

 それは家である神社に帰ってからも同じ。

 両親からも距離を置かれていたことを、京子きょうこ自身も感じていた。両親がどことなく自分に対して〝おそれ〟のような感情を抱いていることにも気が付いていた。

 それでもタミだけは違った。

 タミだけが、何かを感じていた。

 そして、その目を見るのが、京子きょうこは嫌いだった。

 その夜も、京子きょうこはタミに呼ばれて本殿ほんでんにいた。

「少し、前の話をしてもいいかい?」

 そして座布団に座ったまま、向かい合ったタミからの質問が始まる。

 シトシトと、小さな雨粒が屋根のかわらを打ち、雨樋あまどいを流れる夜。

 タミは深夜にも関わらず巫女みこ服。その正装と祭壇さいだん松明たいまつの炎が、自然と京子きょうこを追い込んでいた。それでも京子きょうこは顔色を変えず、いつもの冷たい表情のまま。

 タミの真意は、松明たいまつの揺れるあかりの中ではかりにくい。

 そのタミは少し間を空けて、京子きょうこの中の何かを感じ取っていた。

「……ほう…………天井が気になるかい?」

 決して京子きょうこは天井を見上げていたわけではない。しかし何かを見透かしたようなタミのその言葉に、京子きょうこも身を硬くして応える。

「……いえ…………別に…………」

 それでもその態度は堂々としたものだ。少なくともタミにはそう見えた。決してタミの圧力にもおくしてはいない。

 一七才とは思えない、妖麗ようれいさ。

 タミは、みずからの感情を押し殺しながら言葉を投げ返した。

「まあいいさね…………ただ…………これからこの家をいでいく京子きょうこには、どうしても聞いておかなきゃならんことがある」

 京子きょうこは何も返さない。

 僅かに視線を落としたまま、決してタミと目を合わせようとはしなかった。

 そして、微かに京子きょうこの口元に浮かぶ笑みが、タミには気になった。

「まだ子供の頃のように未来が見えるのかい?」

「もちろんです。今も見えていますよ…………」

「あの時も見えていたと? 京子きょうこ…………どうやって…………あの信者たちを殺した?」

 京子きょうこは微動だにしない。

 そして小さく口を開く。

「……お婆様は…………私が殺したと?」

「質問しているのは私だよ京子きょうこ。聞かれたことに答えな。見えていたんだろ?」

「目を覚ましたら周りで死んでいました」

「警察にもそう言ったんだろ? 私は警察じゃないよ京子きょうこ

「さすがは、お婆様…………私は……死ぬところを見ただけですよ…………」

「ほう…………」

「…………へびに…………巻きつかれていました…………」

 それを聞いたタミは、すぐには返せなかった。

 外の雨が大きくなってきたことにすら気が付かない。

 背筋に冷たいもの。

 しかし、タミは言葉を絞り出す。

「最初から分かっていたのかい? 誘拐されることも…………」

「もちろんです。私には総てが見えています」

 京子きょうこは表情も変えない。

 そしてタミが、ゆっくりと返した。

「自分の未来が総て見えているとでも言うのかい⁉︎」

 少しだけ語尾が荒くなってきていたタミに対して、京子きょうこは冷静そのもの。

「はい…………私は二二才で死にます…………二一才で子供を産みますが…………それまでは子供をさずかることはないでしょう」

 その言葉の意味を理解するよりも早く、タミは言葉を投げ返す。

「……へびに……卵を食べられたね…………」

 しかも、半ば無意識に口から出ていた。

 京子きょうこも相変わらず冷静に返すだけ。

「…………いずれ、返しにきますよ」

 タミは唐突に立ち上がると京子きょうこひたいを左手で掴む。

 そして、タミの声は低い。

「……京子きょうこに何をした…………出てこい…………ワシが相手をしてくれるわ」

 しかし、その手首を京子きょうこが掴む。

「…………お婆様…………痛い…………」

 タミは手を離さないまま口を開く。

京子きょうこ……水晶は持ってるかい⁉︎」

「はい…………」

 京子きょうこは胸元から二つの水晶を出した。

 そしてタミの左手が京子きょうこひたいから離れる。

 同時にタミの右手が二つの水晶を掴むとチェーンを引きちぎった。

 次の瞬間には、畳に押し付けた水晶にふところから取り出した短刀を突きつけていた。

 さやが畳で鈍い音を立てる中、やいば切先きっさきが〝火の玉〟を畳にめり込ませる。

「さすがは代々伝わる石だよ」

 タミは吐き捨てるようにそう言うと、乾いた音と共に素早く短刀をさやに納めた。

 そして再び座布団に正座すると、短刀を横にして京子きょうこに見せながら、軽く息を吐いて口を開く。

「この短刀は神物しんぶつだよ…………代々この神社をまもってきた…………このやいばでも割れないとは大した石だ…………もうこの石はお前を守る石じゃない。へびに入られた…………」

 それを聞く京子きょうこの目は、先程とは明らかに違った。

 僅かに震えるその目を見ながらタミが続ける。

のろわれた石に魅入られたね」


 ──……くずせるか…………


 そう思ったタミは、京子きょうこひざの前に短刀を差し出す。

あずける…………意味は分かるね…………その時は慎重に選ぶんだよ…………残念だが京子きょうこ…………我が家の血筋をってでも、このへびを生かしておくわけにはいかない…………」

 その夜、雨がしだいに激しくなる中、タミの祈祷きとうが夜通し続いた。

 タミのすぐ後ろには清吉きよきちよりがつく。

 そしてその中心には、短刀を抱えながら震える京子きょうこ

 外には夏の大雨が降り続いていた。

 その雨粒は容赦無く本殿ほんでんを揺らす。

 そして、本殿ほんでんに朝の陽の光が入り込んできた。しかしそれは空が僅かに明るくなった程度で、分厚く黒い雲から大雨が降り続くのは変わらない。

 やがて、玄関の裏口を叩く音がした。

 裏口といっても通用口。家の人間が通常使っている玄関でもある。しかも、その玄関を叩く音はけたたましい。

「警察の方が…………京子きょうこに話を聞きたいと…………」

 応対をしたよりが戻るが、その声は震えていた。

 直後、拝殿はいでんの砂利を踏みつける足音。

 そして、傘を打ちつける雨の音。

 清吉きよきちよりが振り返ると、そこには警察の人間とおぼしき数人のスーツの男たち。

 タミは祭壇さいだんの前で、振り返りもせずに声を上げた。

「おまわりさんたち…………朝からご苦労さまにございます。京子きょうこに話があるということでしたら、ここで話されたらいい…………ほれ…………ワシらの後ろで震えておるのが京子きょうこじゃ」

 なぜか、その場の全員がその声に圧倒されていた。

 まるで雨の音までも静かに聞こえる中で、タミが続ける。

「まさか……ワシを知らんわけでもなかろう…………」

 やっと、辿々しくも口を開いたのは一人の刑事。

「……いえ、タミさん…………そういうわけには…………」

「ワシらの血筋に隠し事など無いわ! 何用なにようじゃ!」

 そのタミの大声に、慌てて別の刑事が返した。

「以前の……誘拐事件と…………京子きょうこさんの同級生の殺害事件についてお聞きしたいことが…………」

 すると、声のトーンを戻したタミの声。

「あんたらは、京子きょうこがやったと思っとるんじゃろ?」

 空気が凍りつく。

 そこに切り込めるのは雨の音だけ。

 そしてタミが続ける。

「……へびじゃよ…………不浄ふじょうのものに魅入みいられたへびの仕業じゃ。こんなか弱い京子きょうこに…………」

 タミは後ろを振り返って繋げた。

「人殺しなど…………そうじゃろ? 京子きょうこ…………」

 京子きょうこは頭を大きくうなだれたまま動かない。

 その体の震えが止まっていることに気付くよりも早く、別の刑事の声。

「タミさん、この時代にそんな────」

「時代ではない! 我らが変わったとて、あいつらに何の関係があるものか!」

 そして、その時、なぜか京子きょうこの頭には映像が浮かんでいた。

 それは、みずからの目の前で、何人もの人間の首に大きなへびが巻き付いているもの。


 ──……私が…………殺してたの…………?


「時代など…………勝手に人間が作ってきたものじゃ…………人間のわくに当てはめるなど、そんな烏滸おこがましいことがあるかね」

 タミがそう言って視線を前に戻した。

 すると、目の前にあったはずの二つの水晶が無い。

「────しまった! 京子きょうこ!」

 振り返る。

 京子きょうこが立っていた。

 左手に短刀。

 右手には水晶のついたチェーンをぶら下げている。

 そしてその目は、京子きょうこのものではなかった。

 口が開く。

「……お婆様…………終わらせましょうか…………」

 そして、タミの目が見開かれていた。


 ──……此奴こやつは…………


「…………へびじゃないのか…………」

 タミが、まるでつぶやくように言葉をらしていた。


 その時。

 振動が本殿ほんでんを揺らした。

 地面が揺れる。

 やがて、それは大きく。

 あっという間に、誰も立っていることが出来ない。


 しかしその中、なぜか京子きょうこだけが本殿ほんでんを飛び出していた。


 タミはそれを追いかけたかったが、揺れで立ち上がることも出来ない。

 その振動の中で、なぜか京子きょうこだけは走っていた。

 そして、地面が、流れ始める。

 もはや止められるものではなかった。

 京子きょうこの背後で、本殿ほんでんと人々が土砂どしゃに飲まれていく。

 京子きょうこだけが分かっていた。


 どこに行けば助かるか。

 どこに逃げれば助かるか。


 そして、下半身だけが土砂どしゃに埋まった状態で助けられ、京子きょうこは村で唯一の生存者となった。





「若いからって舐めないでほしいわ」

 そう言って御陵院西沙ごりょういんせいさは足を少し広げて立ち、腰に両手を当てて小さな体で虚勢きょせいを張って見せた。

 その目の前にしゃがみ込んだ萌江もえが口を開く。

「やっぱり若い子の生足っていいね」

 僅かに広がるスカートのすそを押さえながら西沙せいさが叫ぶ。

「本気で変態じゃないの⁉︎ ちょっと! 立坂たてさかさん! なんなのこの人!」

 明らかに困った表情の立坂たてさか苦笑にがわらいしか出来ずにいた。

 そして萌江もえの声。

「で? 西沙せいさちゃん」

「──ちゃんはやめて! これでも二一なんだから!」

「霊感あるの?」

 萌江もえのその一言で、その場の空気が変わった。

 咲恵さきえ立坂たてさかの車まで行くと、寄りかかって腕を組み、そして口元に笑みを浮かべる。

 西沙せいさはしゃがみ込んだ萌江もえを見下ろしながら叫んでいた。

「あのねえ、私は霊能力者よ! あんたみたいな変態と一緒にしないでよ!」

 しかし少しずつ腰が引く。

「でも〝のろい〟をち切れてない」

 そう言った萌江もえ西沙せいさを見上げた。

「大変なんだってば! ここののろいは龍神様りゅうじんさまを怒らせたからなの! 分かる⁉︎」

龍神様りゅうじんさまなんだ。私は会ったことないなあ」

「当たり前でしょ? 修行しなきゃ見れないんだから────」

「修行ねえ…………」

「ここの近くに古い池があるのよ。そこにはほこらもあって…………」

「連れてってよ。そこ」

 すると、やっと立坂たてさかの声が聞こえる。

「お連れいたしますよ。近くですので」

 その立坂たてさかも車の側に移動していた。

 その隣の咲恵さきえが小さくつぶやくようにして立坂たてさかに声をかけた。

「もしかして、以前にもあの子に連れてってもらったの?」

「そんな感じですね」

 立坂たてさかはそう言って応えた。

 その池は地元でも知っている者は少ない。

 しかしかつての村にとっては〝神のいる池〟。

 廃墟はいきょ群から車で少し林の中を抜けると、その池はすぐに姿を現した。

 湖というには小さく、それだけに大きな池。長く、そして大きくカーブしたその池の周辺には遊歩道も用意されていた。しかしあまり人の手が入っているようには見えない。舗装された遊歩道の周辺には雑草が幅を利かせ、あちこちにゴミも散乱している現状だ。

 全員でその遊歩道を歩きながら、西沙せいさが言うほこらを目指していた。

 古くから存在する池。

 ある時、そのそばの土地を、人間が処刑場として汚した。

 それによる〝神〟の怒りだろうと、西沙せいさは考えていた。その怒りからくる〝負の感情〟に、かつて殺された武士たちの怨念が擦り寄る。

 だからこそ、この池は西沙せいさにとって重要な場所となっていた。

 その西沙せいさが先頭を歩きながら話し始める。

「あんたたちをいちいちここに連れてくる時間も本当は勿体ないんだけどさ…………お盆の前には終わらせたいのよね」

「なんでー?」

 後ろから萌江もえの声が聞こえた。

 明らかにからかったような口調だったが、西沙せいさは振り向きもせずに応える。

「お盆の時期になると仕事が増えるのよ。あんなものがただの宗教から来る風習だってのは分かってるけど、それでも世間一般的には関係ないんじゃない? ま、そんな雰囲気からくる理由の依頼なんて眉唾まゆつばなものしかないけど……それでも事務所なんか構えてると色々あるのよ。仕事だし」


 ──……へー…………


 咲恵さきえがそう思った直後、隣を歩く萌江もえも同じことを感じたのか、明らかに返す声色が変化していた。

「日本だけの風習だしね。地域によって時期だって違う。あの世に国境があるわけじゃないだろうし……年に一回はご先祖を思い出して墓参りしようねって言う風習なんだから、みんな素直にお墓参りすればいいじゃんね。いちいち生きてる人間の地域事の風習になんか合わせて帰ってくるとしたら、あの世のスケジュール管理も大変だ」

「まったくよ…………私だって暇じゃないんだから」

 そう言って振り返った西沙せいさが声を張り上げる。

「なんで女同士で手繋いでんのよ⁉︎」

「いいじゃん。池に落ちたら大変でしょ」

 そう応えた萌江もえは隣の咲恵さきえと繋いだ手を前後に大きく振って見せた。

 そして続ける。

西沙せいさちゃんも繋ぐ?」

「繋ぎません! 私は同性愛者じゃない!」

「愛と性欲に性別は関係ないのに」

 しかし咲恵さきえが刺さる。

「この場合は性欲はいらなくない?」

「いや、大事だ」

 そう言い切った萌江もえに、咲恵さきえが小さく囁いた。

「……からかいすぎ…………」

「でも」

 その萌江もえの声は、小さく、そして低い。

「…………ちょっと……面白い子だけど」

 やがて一行はほこらに到着した。

 小さな物だったが、岩を掘った所にほこらを納めた立派な物だった。しかも周囲の荒れ方から考えると整備されているほうだろう。花も真新しい。

 池のほうを向いて設置されたそのほこらを前に西沙せいさが口を開く。

「去年、私が来るようになってから綺麗きれいにしたけど、ひどい状態だったわ…………」

 その横に立った萌江もえほこらを覗き込むようにして返した。

「ふーん、凄いじゃん。こういう風習はいいと思うよ。山でも川でも池でも〝そこには神様がいる〟って言って大事にしてきたんでしょ? 自然に対して感謝の気持ちを持つことは大事なこと。私は好きだよ」

「へー、ただの変態かと思ったらいいこと言うじゃない」

「でも」

 萌江もえは池に体を向けて続けた。

「よく分からないんだよなあ…………龍神様りゅうじんさまだっけ?」

 西沙せいさはその背中に鋭い視線を送りながら返していく。

「この池の守り神……このほこらだって────」

「だからさ」

 そう応えた萌江もえの背中から、西沙せいさは不思議な圧力のようなものを感じた。言葉で説明の出来るものではない。同時にそれは、西沙せいさが初めて感じるもの。

 しかも、続く萌江もえの言葉はその圧力に拍車はくしゃを掛けた。

「神様はいるよ…………人が〝おもう〟限りね。でも、その神様が何を怒るの? 人間様(ごと)きに神様が怒る? その程度の神様だったら、西沙せいさちゃんだってほこら綺麗きれいになんかしないはず」

 すると西沙せいさは、何も応えないままにほこらに顔を戻した。

 すぐに反論するかと身構えていた咲恵さきえは、その姿に不思議そうな目を向け、やがてその視線は萌江もえの背中へ。

 そこに聞こえてきた声は萌江もえのものだった。

「池……水の神様か…………」

「そうだよ」

 唐突に、弾けるように背中で返した西沙せいさの言葉が続く。

「水は昔から大事にされてきた……少なくとも今みたいに蛇口をひねれば出てくるものなんかじゃない。だからこんな田舎の池にだって龍神様りゅうじんさまがいて────」

「田舎とか都会とか、神様にはそんなこと関係ない」

「……水場は昔から〝おそれ〟の対象だから…………」

 まるでつぶやくような西沙せいさの声。

 萌江もえは背中を向けたまま。

 西沙せいさの言葉が続く。

「…………〝けがれ〟が集まりやすい…………」

けがれ?」

 即答したのは萌江もえ

 その言葉も続く。

「水場だから〝けがれ〟が集まりやすいの? 誰から聞いたの?」

「誰って…………」

「なんとなくそう言われてるし、みんながそう言うからでしょ?」

 萌江もえは池を見渡すように首を回して続ける。

「遊歩道があるくらいだから一応街灯はあるんだね…………いつ設置されたのかな。私たちが歩いてきた遊歩道って、いつ舗装されたんだろう…………昔はどっちも無かったよね。遊歩道に沿って池を囲む柵だって無かったはず。そんな頃にここに来てたら、誰かと手を繋いでいても危険だよね。しかも夜ならなおのこと」

 萌江もえが振り返ると、そこにあるのは西沙せいさの背中だけ。

 さらに萌江もえが続ける。

「水場が危険なのは池だけじゃなくて川でも海でも同じでしょ? そして家の周りだと井戸…………落ちたら大変だよね。しかも電気の無い時代の夜は現代よりも暗い。満月の頃だとしてもね。水場は幽霊が集まって怖いから近寄るな────しかも、なぜか昔は幽霊が出るのは夜だけだった。だから夜の水場は危険」

 西沙せいさは無意識に視線を落としていた。

「でも…………」

「水場が危険ならお風呂場は? トイレは? 台所は? それすらも昔は不浄ふじょうとどまる場所とされた。危険があるから。そう思うことで危険に対しての身構えが出来る。家の下とか道路の下に走ってる水道管は? あれに幽霊は集まらないの? どうして誰もプールに幽霊が集まりやすいって言わないの? ただの昔の人の知恵だよ。教えと言ってもいいかな。夜に爪を切ると親の死に目に会えないって言うのと同じ。今と違って夜は蝋燭ろうそくに火を灯すくらいでしょ。今みたいな爪切りだってない。しかも指先の怪我はバイ菌が入ると抜けにくいからそこから化膿かのうして大きな病気にも繋がる。幽霊は指先から入るなんてことも言われてたんだ。なんでも幽霊のせいにする前に冷静に考えたほうがいいよ。昔から伝わってきた言葉には、その裏に必ず意味がある」

 西沙せいさは視線を落としたまま、体を小刻みに振るわせていた。

 それを見ながら咲恵さきえが思う。


 ──……反論は無理そうね…………


萌江もえ

 その咲恵さきえの声に萌江もえが顔を向けた。

 そして咲恵さきえが続ける。

「今日はこのくらいで…………続きは明日」

「分かった…………」

 そう言って歩き始めたところで萌江もえは足を止めて続けていた。

西沙せいさちゃん……明日の一一時…………さっきの慰霊碑いれいひで…………」

 すると西沙せいさが言葉を絞り出す。

「……分かった…………逃げるつもりはない」

「……明日は短めのショーパンで」

「変態!」





 街の中心にある駅。

 その側のビジネスホテル。

 とは言っても披露宴ひろうえん会場も用意された大き目の所だった。

 そこが今夜の二人の宿泊場所。

 しかも、どう見ても安い部屋ではない。

 立坂たてさかが用意した。

「ごめんね。うん、思ったより早く帰れそう…………え? ゆっくりって…………いや、新婚旅行じゃないから…………ちょっと由紀ゆきちゃん⁉︎」

 大した業務連絡もないままの店への電話だった。

 バスローブ姿で大き過ぎるベッドに横になりながら、咲恵さきえはスマートフォンをベッド脇に置いた。

 そして大きく溜息ためいきく。


 ──……まったく……新婚旅行ならもっと別の場所に…………


 何気なくシャワールームに目をやる。

 シャワーの音が気になった。

 なぜかソワソワとした気持ちと、それを誤魔化ごまかしたい自分がいる。


 ──……昼間にあんなイメージ見た後なのに…………

 ──…………まだ……言えないな…………


 シャワーの音が止まると、咲恵さきえの鼓動が早くなり、誤魔化ごまかせない自分を認めざるを得ない。

 咲恵さきえはシャワーの音が止まってからドアが開くまでの時間が嫌いだった。自分から迎えに行きたい衝動に駆られるからだ。しかも、そうすると萌江もえが喜ぶことも知っている。

 ドライヤーの音が微かに聞こえ、時間の経過を知らせた。

 咲恵さきえ萌江もえのドライヤーの時間も体感で分かっている。


 ──……だめ……大人気ない…………


 分かっているはずなのに、ドアが開く音に気持ちがうずく。

 しかし、咲恵さきえの隣に横になった萌江もえは何かいつもとは違った。少し寂しさを感じながらも咲恵さきえが口を開く。

「どうしたの? 明日のこと?」

「んー…………」

 歯切れが悪いままの萌江もえが続ける。

「答えは分かったんだ。思った以上に簡単だった」

「そうなの? 今回は私は難しいかも…………見えてるイメージはいくつかあるけど、それが今〝のろい〟って言われてるものと関係がないことだけは分かる」

 咲恵さきえは自分が萌江もえと違うものを見ているのを感じていた。そして同時に、なぜかそれがリアルなものとは思えないまま、あまりにも出来すぎた偶然に自分が戸惑っているのも理解している。


 ──…………これは…………繋がるの?


 そんな咲恵さきえの気持ちに気が付いているのかどうか、萌江もえは〝のろい〟の根源にターゲットを絞り続けていた。

 萌江もえに見えないもの。

 咲恵さきえだけに見える過去。

 それが咲恵さきえの不安材料であることは事実。

「明日、業者に調べて貰えば解決。後は行政が動いてくれるかどうかだけ」

 その萌江もえの言葉に、咲恵さきえは現実に意識を振る。

「ロビーで立坂たてさかさんにお願いしてた業者?」

 今はそう返すのがやっと。

 ロビーで萌江もえから説明は聞いていた。カラクリも理解した。おそらくは間違いない。萌江もえらしいかなった説明だった。

 立坂たてさかも納得し、明日のために動いてくれた。

 そして、だからこそ、咲恵さきえの不安は膨らむ。


 ──……それだけじゃない…………


「うん…………それで終わり。それよりあの子」

 萌江もえのそんな言葉に、咲恵さきえは気持ちを切り替えて応えた。

「イジメ過ぎ…………萌江もえがあの手の霊能力者を嫌う気持ちは分かるけどさ…………」

「まさか、あんなに若いとは思わなかった」

「そっち?」

 咲恵さきえは上半身を上げるとベッド脇のロックグラスを手に取ってウィスキーを軽くのどに押し込む。

「私も飲む」

 萌江もえが上半身を起こしてベッドから降りようとすると、その顔の前に咲恵さきえがグラスを差し出した。

「これ飲んで」

「ん? 嫉妬しっとした?」

「違います」

 そう言って目線を逸らした咲恵さきえの後ろから、萌江もえはその体を両手で包み込む。

「……私の気持ち分かってて…………そうやって困らせるんだ…………」

 こういう時の萌江もえの声に、いつも咲恵さきえは意識を持っていかれる。


 ──……やっぱり…………離れたくない…………言えない…………


 そう思った咲恵さきえの口をふさいだ萌江もえの唇から、声が漏れた。

「……あの子も…………助けてあげたい…………」

「うん…………でも…………先に私…………」

 その咲恵さきえの言葉が、萌江もえうずかせた。





 昭和六二年。

 京子きょうこは一九才になっていた。

 村の土砂災害どしゃさいがいでの唯一の生存者。

 入院中にも関わらずマスコミから向けられるマイクに辟易へきえきし、京子きょうこはその地を離れることを決める。

 当時まだ一七才だった京子きょうこは病院から逃げ、遠くへ。

 やがて離れた街。

 年齢や経歴を偽って、寮のあるスナックで働いていた。

 仕事自体もそうだったが、夜の人間をメインの顧客とするような不動産屋でも、戸籍まで調べられることはない。住民票を求められるわけでもない。そういう時代だった。

 安いアパートを借りた京子きょうこは短いサイクルで店を点々としていた。

 決して楽な生活ではなかった。慣れない生活の中で神経をすり減らしていたのは事実。

 しかしなぜだろう。

 生活に慣れてきた頃から、なぜか子供を作りたい衝動に駆られていた。

 子供が欲しかった。

 しかもなぜか、頭に浮かぶのは〝娘〟。

 そしてたまに頭に浮かぶのは、自分が人を殺している光景。

 覚えがないはずなのに、時としてその感覚が両手によみがえる。その度に、部屋で一人で震えた。

 いつからか、家族のことを思い出せない。

 なぜか過去の記憶はバラバラ。

 分かっているのは土砂崩どしゃくずれの唯一の生き残りということだけ。

 そして、早く子供を作らなくてはならない衝動。

 その感情だけが京子きょうこを揺り動かしていた。

 健二けんじと出会ったのはそんな頃。

 京子きょうこが働いていたスナックの客だったが、なぜか京子きょうこ健二けんじが気になった。二六才。大手の会社で働いていることだけは分かっていた。しかし恋愛対象として見てはいなかった。そもそも京子きょうこはそういう感情が分からない。しかも健二けんじには家庭があった。

 しかし、なぜか健二けんじと肉体関係を持つ未来だけは見えていた。

 そして京子きょうこ健二けんじに近付き、肉体関係を迫る。

 翌年、京子きょうこが二〇才の時、妊娠が分かる。

 体調の変化ではない。まだ妊娠の兆候はない。しかし京子きょうこには総てが見えていた。

 年の瀬。

 雪の降り続く夜。

 健二けんじは当然のように京子きょうこに中絶を迫る。

「俺に家庭があることは分かっているはずだ」

 ホテルの一室、服を着ながら健二けんじは焦りを含んだ言葉を吐いていた。

 それに対して京子きょうこは冷静なまま。

「だったら、どうして私を抱いたの? しかも……何度も私の中で…………」

「君が……大丈夫だって言うからじゃないか」

「うん…………大丈夫だったの…………でもね…………〝卵〟が帰ってきたみたいなの…………」

 声の響き。

 健二けんじはその声にすごみを感じた。

 それまでの京子きょうこから感じられるものとは明らかに違った。

 京子きょうこは自分のお腹に手を当てながら続ける。

「ずっとこの子を待っていました…………私が産むんです…………この子のために、私は産まれてきた…………」

 翌年、平成元年。

 京子きょうこ二一才。

 一〇月二三日。

 京子きょうこは女児を出産する。

 その首には、へそが巻きついていた。そのため入院は少し長引いたが、それでも無事に退院することが出来た。

 病院の費用を出したのはもちろん健二けんじ。出し渋りはしなかった。揉めることで問題が表面化するのを恐れた。

 それでも退院時は京子きょうこと娘だけ。

 久しぶりのアパートに戻る。

 安いアパート。決しておしゃれな新生活ではない。

 そして、今は一人ではない。


 ──……あと一年…………私が育てる…………


 数日後、夜になって健二けんじが訪ねてきた。

 退院した日に連絡だけは入れていたが、健二けんじがすぐに来ないのは分かっていた。

 健二けんじは複雑な目で子供を見下ろすだけ。

 健二けんじには子供がいなかった。妻が産婦人科の不妊治療に通っていることはもちろん知っている。健二けんじ自身も検査を受けていた。

 そして、目の前の子供が自分の子だという。

 健二けんじになんの疑念もなかったわけではない。京子きょうこが他の男と関係を持っていたとすれば、自分の子ではない可能性だってある。

 いや、そのほうが助かる。

 しかし、健二けんじのそんな考えすらも京子きょうこは見透かしていた。

「大丈夫ですよ……私もその内、仕事に戻りますし…………ただ、夜に子供を預ける所にもお金が必要ですから…………そのくらいだけ援助してもらえれば…………」

「そのくらいなら……大丈夫だ。なんとかする…………」

 いつの間にか、健二けんじ京子きょうこから離れられなくなっていたのかもしれない。

「……名前は…………決まったのか…………?」

 その健二けんじの言葉に、京子きょうこはゆっくりと応えた。


「…………萌江もえ……………………」





             「かなざくらの古屋敷」

     〜 第三部「へびのくちづけ」第3話(完全版)

                    (第三部最終話)へつづく 〜


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