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※※ ― 焚火 と ファイル№14 ― 二軒の家
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赤い火が焚かれたまわりを、彼女がまわる。
手拍子と、楽器と、唄声にあわせ、くるくる くるくる
目が合って、手をのばされた。
おもわず、彼女の誘いにのってしまう。
まわされる。
くるくる くるくる
くるくる くるくる
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ファイル№14 ― 二軒の家 ―
あの居心地のいい監視所にそのまま泊ってもよかったのに、ライアンが家に来いと言ってくれたので、警備官たちはそれに甘えることにした。
ライアンは保安官の車。ロビーはじぶんの車へと警備官たちをのせ、自宅へとむかったのだが、二台はずっと縦にならんだままで、目的地へとついた。
「 ―― これって、それぞれ?」
すこしはなれて横に並んだ同じような二軒の家をさし、車からおりたウィルがライアンにきく。
うなずいた男は、お好きな方へ、と両手をひらいてみせた。