こたえはきっと
「 そうなんだよ。おれもよくわからないんだ。 ・・・でもテリーは、困った顔で、『薬の量がへったから、狼男は元気になって、森の動物を食べている』って言うんだ」
自分の声が、すっかり力をなくしてるのを感じた。
目をあげると、言葉をなくしたロビーとアニーの視線と合う。
助けをもとめるような、なんともいえないそのまなざしに、ライアンだってほんとうはなにかのこたえをだしてやりたいが、なにもだせない。
かわりにこたえをだしたのは、警備官たちだった。
「なら、その《教会》に行って、おれたちがテリーの言ってることを確かめりゃいいんだな」
ジャンが台所の作業台からおり、みんなをみまわす。
「今から出たとしたらまず、フォロッコ山で一度朝を待つしかないな」
ルイもたちあがり、腕時計をたしかめる。
「いや、もう昼だし、これから山に入ろうなんて危険だ」
この判断は譲れないのをしめすため、班長である男をみて、ライアンは断言したのに、目のあった相手はうなずきながら班員に言った。
「そうか。 ―― それなら、みんな、じゅうぶん注意しろ」
「あのさバート、そういうことじゃなくて、行くなってことだと思うよ」
立ち上がっている仲間を、長椅子にだらけて座ったままのウィルが、あきれたようにゆびさした。
だろう?というように顔をむけられたライアンは、この男とも、どうにか友達になれそうだと考えた。




