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不意打ち
アニーが息をのみ、年寄なの?とロビーの腕をつかんだ。
「たいへん、それ、はやく助け出してあげないと」
「いや、待ってアニー。その証言じたい、おかしいだろ?二十年以上、変わらないなんてこと、あるわけないんだから」
二人の反応にうなずいたライアンは、だから、と警備官をみた。
「 ―― それからおれは、ときどき、あの教会をふいうちでたずねることにしてるが、いままで一度も、『狼男』どころか、監禁された男をみたことはない」
じゃああなたがときどき山に登るのって、教会に行ってるんですか?とロビーがおどろいたようにいいたす。
「ライアン、ぼくも連れて行ってくれれば、二人で捜索できます」
「休日をまるまるつぶすのはおれひとりでじゅうぶんだ。だいいち、何人でいったとしても見つかるかどうかわからないんだし、実在するかわからない男だ」
でも、とアニーがなにか言いたげに保安官ふたりをみた。