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監禁
「《秘薬》を伝えるための《儀式》で、その《秘薬》はダゲッドム族にしか伝わっておらず、その《秘薬》で、『狼男』は、『いまでも動けない』。 テリーはそれを受け継いだ日から、教会にいる『狼男』にその薬を作り続けていて、飲ませつづけている。それを怠れば、『狼男』はまた、人間を襲いはじめるから、彼は、いやいやながら教会へゆく。 そして、ここで問題なのは、 ―― その『狼男』が、・・・人間の男の姿をしてるってことだ」
「ちょっとまって!それって、『狼男』なんかじゃなくて、・・・」
アニーはそこで言葉を飲んだ。
うそでしょ?とたちあがったままのロビーは、数歩前に出た。
「 ライアン、それは、『監禁』だ。 そんなはなし、ぼくはきいてない」
「はなしてないからな。ロビー、おれだってさすがに、すぐ《教会》に確かめに行ったさ」