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悩みを
ちょっとまって、とロビーが立ち上がる。
「ライアン、おかしいこと言ってるって自分でわかってます?」
わかってるから最後まで聞け、と命じた保安官の声は、ロビーがいままでかけられたことがない種類のものだった。
「 ―― まさか、このことを口にすることになるとは思ってなかったんだ。ちくしょう、レオンに相談した時点で、それで済むわけなかったのに・・・。 すまない。ロビー、アニー、おれがこのはなしをきいたのは、ここに赴任してはじめての冬を迎える前で、テリーが二十歳をすぎてから、はじめてやってきた自分より年上の男に、なにを話してもいいと思ってたときだ。 おれは、彼からダゲッドム族の伝承やなんかを、いろいろきかされた。それについての意見ももとめられた。 彼は、たしかにここの世界しかしらない、ちょっと責任感の強い男で、 ―― 自分が教会でしてる役割について、なやんでいた」