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なにが正確


 ちょっとまってよ、と怒ったような声でわりこんだのはアニーだった。


「その、『おはなし』をしてくれたのは、ダゲッドム族の人じゃないんでしょ?それに比べてサマンサは当のダゲッドム族なのよ?自分たちに伝わってるはなしを、正確におぼえてる」


「そうか?」


 にやけた顔をむけたケンをにらみ、どういう意味?と腕をくむ女に、ロビーが横でなだめるように肩をたたいておちつかせる。



 それをながめるケンはさらににやけてみせた。

「だって、『言い伝え』なんてやつは、たいていどこかで手をくわえられてて、みみざわりがよかったり、みんなが納得するもんにかえられてるだろ。だから、当のダゲッドム族だからって、その話じたいが『正確』かどうかは、わからねえだろ」


 さらにいいかえそうとしたアニーに、きみは怒るだろうけど、とルイが前置きしてつづけた。


「 ―― その《狼男》の知識をうばってダゲッドム族は医療の分野で名のある民族になり、スーフ族は狼男をしとめてはいないけど、教会におしこんで、狩猟の名手として名をはせた、ってことになって、おれのきいた『おはなし』はおわる」



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