ファイル№12 ― 別モン
申し訳ございません。ルイのこどものころのはなしは、『白いカラス 』をひろい読みしてください。。。
ファイル№12 ― 別モン ―
「 ルイ、 ―― おまえのはなしは?」
床のザックが、そうだ『ベツモン』、とケンをどうにかおしのけ、おきあがる。
アニーも台所のロビーの横にすわり、みんながまちかまえる中、ゆっくりとした口調で、いつものようにはなしだした。
「 おれは、―― 子どものころ、いわゆる《上流階級》で、マーノック湖の北側のほうに住んでたから、ステラの森にも、フォロッコ山にも行ったよ。 うちにいた庭師の夫婦がおれのこと自分たちのこどもみたいにかわいがってくれて、その旦那のほうが、山にも森にもつれていってくれたんだ」
ここで、仲間たち警備官に、わかってるだろ?というような目をむけるのをライアンはみた。どうやら、彼の仲間はそのことをよく知ってるらしい。
「 その、庭師の夫婦は、おれの母親がみつけてきたらしいんだけど、いわゆる、『まじない』とかをよく知ってるひとたちで、それこそ、野山にある草花で薬も作ったし、動物のこともよくしってる《物知り》だった。 さっきもらったお茶も、その夫婦がよくいれてくれたんで、懐かしかったんだ。 こどものおれに、古い言い伝えとか、昔話なんかもよくしてくれた。ま、当時は、どれも、『おはなし』としてきいてたんだけどね」
ゆるくわらうと、ライアンをみてきた。
目が合うと、そののんびりした雰囲気にあわない目をしているのに気づく。