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そんなことまで
アニーがそれに眉をよせ、「テリーは、・・・」と、ここにいない男をいいあらわそうとする。
「・・・なんていうか、サマンサは、自分たちの暮らしを大切に生きてる。 だから息子のテリーも同じように大切にしてるってだけ」
同意をもとめるようにライアンをみる。
「まあ、・・・それもあるし、テリーは養子だってこともあって、《ダゲッドム族》そのものに、強い憧れがあるんだ」
「ちょっと、ライアン、そんなことまでいう必要ある?」
「だって会ったらどうせ驚くだろう? サマンサの息子のテリーは、まだ三十代だ」
えっ、とザックが声をだす。
「だってさっき、九十とっくにこえてるって・・・」
「サマンサは自分が産んだっていいはってますが、きっと教会からもらってきた赤ん坊でしょう」
ロビーがいうのに、ライアンもうなずいた。
「教会から?」
ザックは納得いかずにロビーをみる。