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呼び鈴


 食堂車両のなかの四つしかないテーブルのいちばん奥に、毛皮の帽子をかぶった男がいるのは、ここに入った時からザックも気づいていた。


 真っ白なテーブルクロクに不似合いなカーキ色の上下は、ケンの普段着とおなじようなものだが、遠くからみても汚かった。おまけに編み上げのブーツも泥がついたままだ。



 ザックがこの列車に乗りこんで最初に一通りまわったときにはみかけなかったから、途中の駅で乗ってきたんだろう。たしか三度目に往復したときに、この男をふくめた五人を、二両目でみかけた。

 あきらかにライフルと思われるケースを所持していたので、みんなには報告済みだ。

 


 そのテーブルの男が、ケンとザックがこの車両に来た時から、こちらをずっと眺めていたのにも気づいていた。


 ケンが、ザックに目をながしてにやけてみせる。

 カウンターの女がまた鳴らされたベルに微笑んで手をあげながらむかう。


 なのに、男はまたベルを鳴らした。


「・・・おれらも、来いってことかな」

 男と目があったザックがケンを振り返りテーブルをさす。



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