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こっちがききたい
「やはりあれがスーフ族ですか。きいたことはあるが見たのは初めてです。もちろん、おれは依頼してないです」
紙カップをジャンにわたすと、気の利く男は他の男たちへ、礼をいってコーヒーを各自取るように命じた。
コーヒーにまだ口もつけていないザックが、でもさ、とライアンをみた。
「あんたが頼んでないなら、なんで来るんだよ?」
「それは、・・・」 こっちがききたい。
「あなたじゃない誰かが頼んだとか?」
ザックの横に立つルイがきく。たしか、発見者がほかにいましたよね?と続くのに、ライアンはアニーたちの顔を思い浮かべた。
「そっちじゃねえだろ」
いきなり断言したのはケンだった。