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すれ違った男たちは・・・
『情報』といっても、班長は遠慮がなく、副班長は気がまわせる男で、ルイとザックはいいやつらで、ウィルとケンは要注意、という程度だ。
レオンの人柄も、その感覚も信用しているが、どうしてA班を推奨するのかというこちらの疑問には、とにかくあいつらに任せてみろ、という言葉しか返ってこなかったので、いまいちなにかひっかかっている。
しかも、さっきすれ違った男たちは、 ―― 。
「 ―― スーフ族たちに出動要請しましたか?」
副班長のジャンが、駅舎の中にある駅員用の休憩室から窓のそとをながめながらきいた。
紙カップにポットからコーヒーをそそぎながら、ライアンはその質問に眉をあげた。
カップもポットも家からもってきたものだ。ここの駅舎にはガス台もないし、インスタントコーヒーの粉さえない。