表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/260

ファイル№02 ― 食堂車


 ファイル№02 ― 食堂車 ―




 後ろをついてくるザックをふりかえり、ケンはあきれたように、おまえ全車両往復したんだろ、ときいてくる。

「したけど。 だって、列車にこんなにながいこと乗ってるなんてねえし、こういう長距離なんて乗るの初めてだし、何往復しても楽しいよ」

 ザックの祖父の家も同じ州内にあるし、旅行でも、北へむかうこの遠距離移動の列車になんて、いままで乗ったことはなかった。



「 ―― まあ、たしかに長距離は移動するが、目的地は観光地じゃねえしな」

 食堂車のバーカウンターで、炭酸水をたのんだケンがいうと、カウンターの中の女が「でも、別荘地があるから休暇時期は混みますよ」と。氷を浮かべたグラスをわたす。


 その『別荘地』方面へ向かうためマーノック湖に沿うよう走らされた路線と、もうすぐわかれる。


「この列車にのったほとんどのお客がそちらへ乗り換えるため、これの終点まで乗ってゆくひとはほとんどいませんけどね」

 ザックに、本日三度目の同じジュースを渡した女は、二人の若者をみくらべて微笑んだ。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ