新生J班
「おいジャン、何が、『そういうこと』なんだ? そりゃ、おれたちの班はカールがぬけたばっかりだし、若いのがはいるのは歓迎するが、こいつ、おれの顔をみながら『バートがボスの班がいい』ってぬかしやがったぞ」
「あ~・・・まあ、ちょっと前にいっしょに行動したもんで、なついたんだ」
ジャンのあいまいな返事になにか読み取ったショーンは、ふうん、と椅子の背にからだをあずけ腕を組んだ。
「あの、保安官要請のやつか。 ライセット州に行ったら、このスーフ族もいたんだな?」ふうん、とまたうなずいて顎をなで、それならいい、と立ち上がる。
「おれはてっきり、バートの名前だけ漏れ聞いた先住民族が、興味本位でヒューに連絡してきたのかと思ったんだ。 今朝、会議室に呼ばれて顔を合わせたとたんバートの名前をだしたんで、そこでおれは部屋をでた」
「社長から直にきた話ってのも気にいらなかったんだろ?」
ジャンの指摘に首をかたむけ、バートがヒューに振ったはなしなんだろ?としかたなさそうに眉をよせると、座っているA班にわらいかけた。
「 ―― おまえら今日、内勤あとヒマだろ?『新生J班』と、勝負したくないか?」