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ファイル№43 ― AではなくJへ
目をとめてくださるかた、ありがとうございます!あとちょっとで終わります。。。
ファイル№43 ― AではなくJへ
ザックがうれしそうに立ち上がり、大きく手をふりかえす。
サイズ大きめなTシャツをきた、褐色の肌にもっさりした黒髪の学生のような雰囲気のショーンは、実際には学生を卒業して十年は軽く経っている。
ジャンに調子はどうだ、と声をかけ、ニコルの肩に手をかけると、その隣に座った。
「なあ、ちょっとききたいんだが」
片手に丸めていた紙束をテーブルにおいたこの男は、同じ強硬隊のJ班の班長だ。A班とは《きまりごと》とよばれる仕事あとのトレーニングをいっしょにしたりするし、平均年齢がずっと上で、ケンともつながりのある班員たちはJ班を《紳士の集まり》と自称しており、なにかとA班をきにかけてくれる。
とくに、ショーンには、《白いカラス》がでてきたときに、世話になっている。
テーブルに置いた紙をさぐり、間にあった写真をとりだすとジャンの前にほうった。
「その男、おまえらの知り合いか?」
写っている顔をみて、ザックが叫んだ。
「コルボクだ!?」