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A班ファイル ― 狼男は跳ねて飛ぶ ―  作者: ぽすしち
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 真っ白なテーブルクロスに、ライアンがよめない文字が印刷されたように浮かび上がっては消えてゆく。


「あなたは狼男に会いました?」

 女がテーブルから目をはなさずにきく。


「ええ」

 こたえてしまってから、ジョーをみた。

 コーヒーをあじわう男はライアンにうなずいてみせる。


「狼男に会って、話しましたか?」


「ああ。テリーも交えてだけど、これまでのこともきいて、だいたいわかったし」


「どのようなはなしでしたか?」


「『どのよう』って、彼は『狼男』でこの大陸に大昔から住んでいて、先住民族たちと交流するなかで、ダゲッドム族と特に仲がよくなって、さらにその中のアマンダに恋をして、ふたりいっしょになるために、特別なルールを設けた。それが、『狼男』が歳をとる薬を飲み続けてもう山をおりてこない、っていうことだ。 アマンダはじぶんの仲間がつきつけたこのルールに怒って同族と縁をきって、あの教会で『狼男』と暮らすのを選んだってはなしだ」


「あなたはそれを信じましたか?」


「信じたよ。彼の教会の部屋には、アマンダとの思い出がたくさん残っていたし、あの教会でテリーを生んだ母親が亡くなったはなしをする彼は、助けられなかったことを悔やむ医者そのものだ。 それに、タタっていう証人もいる。 ほんとうは、アマンダがテリーを育てたかったんだろう。だけど、そうしたら彼も自分たちとおなじ戸籍のない『幽霊』になってしまうから、信頼できるサマンサに頼んだんだ。  ウィルいわく、サマンサがあそこまで『狼男』をうらんでるなんて、アマンダには予想外だったろうってことだよ。まあ、たしかに、それはあるけど、テリーが大事に育てられたのは事実だ」

 いまの彼をみればわかる、とつけたした保安官は、カップに口をつけた。




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