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中央でのやりとり
一日で多くの仲間をなくしてしまったスーフ族の長は、やはり憔悴していたが、残っているスーフ族はライアンが想像していたよりも大人数で、葬儀後に保存協会によって会館で行われた『お別れ会』では、半分以上が入れず、庭にテーブルがだされた。
そのスーフ族を殺害したロビーは、 ――― 。
「 ―― ロビーはまだ入院してる。くだけた骨は元にもどるだろうけど、・・・中毒症状は、もどるかどうかわからないってことだ」
もと相棒のことをジャンに伝えるライアンは、運転席の彼の格好をみて、やはり聞き間違いだったかも、と自分のスーツ姿を後悔しはじめているところだった。
今度のことは、あのときジャンが言った通りにことがすすみ、ライアンは『狼監視所』から保安官本部のある中央によびだされ、保安官統括指揮官であるブルーナと、警察庁の長官であるギャラガーが小声でやりとりする部屋で、『この事件は《治安維持部署》にわたすことになったので、他言無用』といきなり言い渡された。