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ファイル№38 ― 毎度
目をとめてくださる方、おつきあいくださる方、ありがとうございます。あとすこしで終わりますよ。おつかれさまです。。。
ファイル№38 ― 毎度 ―
ザックのあいたくちから声が出る前に、そばのコルボクがとびあがるように立って、奇声をあげてそれにかけよった。
「・・・おい、マジか・・・」
ライアンは自分のくちからあまりきかない言葉が出るのをきいたが、どうでもよかった。
それよりも、ロビーに『とんできたもの』が人間のかたちで、その人間がさっきむこうで死んでいたようにみえた『狼男』だというのが、まず理解できなかったし、ぐったりしたロビーの両手をうしろで拘束するルイが、その《狼男》と握手してる光景も、現実的でなかった。
そのそばではコルボクがスーフ族の勝どきのおたけびをあげ、興奮した大型犬のようにとびまわっている。
「 ホッルルルルルウウウ ホッルルルルウウウ ヤアアアックウウ !! みろ!狼男が悪い精霊のついた男を倒した! 悪い精霊をはらえ! 警備官たちよ、いまこそ銀の弾でその精霊をはらえ!! 」