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ファイル№37 ― 確保
ファイル№37 ― 確保 ―
「やめろコルボク!!」
響き渡ったその声にザックはからだが反応しそうになったが、どうにかこらえた。
というよりも、そのまえに、コルボクの名をさけんだジャンのよこからルイが、ライアンたちにとぶのがみえたからだ。
「 え?おれのことか?」
いきなりよばれたコルボクは、まだ雪に両膝をついたままで、あたりをみまわした。
むこうでルイにとびつかれたロビーがころがり、ナイフが雪の上をすべってとんだ。
ライアンもルイに当たられたせいで腰がぬけたように倒れている。
走ったジャンがナイフをひろい、ライアンの肩をかがんでたたいて、人質確保、と言ったが、そのときルイにうつぶせにされたロビーが、ごそごそと足元をすりあわせ、ブーツのかかと部分から、なにかがとびでたのをザックはみた。
「 ルイうしろ!! 」