みえる!
まだ続く※ダメぜったい※場面。ご注意
ザックはひやりとしたが、ロビーはライアンの顔からナイフをはなしている。
「しかたないですよ。彼もぼくとおなじでいろいろ悩みがあって、クスリをやってたのは事実ですから」
「でっちあげたんだろう!」
「いいえ。ぼくのクスリをいつもわけてあげてたんで、でっちあげじゃありません」
「っこの、 っつ」
ナイフが、今度はライアンの頭の横につけられた。
「耳の穴を突くっていうのも考えましたが、顔はきれいなままのほうがいいかな。 ぼく、こんなところに来てまでまじめに働くあなたに感動しました。本心です。だから、 ―― あなたには軽蔑されたくなかったんです。あなたはぼくのこと、はじめから信用してくれて、ぼくのつく嘘もぜんぶ信じてくれた。 ―― なんてまぬけで、なんてくそまじめなんだって、感動しました!」
「 っく、」
みあったライアンは歯をくいしばり、ロビーをにらみつづけている。
うわあ、と気の抜けた声をあげたロビーは、つぎにけたたましいわらいごえをあげた。
「みえる!やっぱみえるぞ!あんたの憎しみとか嫌悪とかがおれにむかってるのがみえる!こっちにきてからこういうのがみえるんだよ!『感覚』が、ここまで研ぎ澄まされてる!きいたとおり、この山で《クスリ》をやるのは最高だあ!」
のけぞるように上をみあげさけび、ナイフを持つ右うでをのばした。