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相棒のせいで
ロビーとむかいあうライアンの顔がいっきに赤くなるのを警備官たちはめにした。
「おまえ!!あれはっ、『誤解』だって言ったよな?審査会でもそう言ったんだろ?」
「ええ。だから、こうして、『狼監視所』にとばされてきたんです」
え?とザックが声をあげた。
「だって、『人間関係で失敗した』って言ったよな?」ここを希望した理由をきいたら嫌そうな顔をされ、それでも、教えてくれたと思ったのに。
ええ、だから、とまたロビーはうなずく。
「 ―― 《クスリ》を持ってるのがみつかって、クビになりそうだったのを、普段のまじめさと気の弱さを前面にだして、相棒のせいにしたんですよ。彼の荷物にクスリをいれてから、ぼくは脅されていたと言ってみたんです。そうしたらなんと、審査会は彼よりぼくのはなしを信じはじめて、相棒は審査会の判断がくだるまえに自殺してしまいました」
「おまえ!!」
ライアンが刃物の存在をわすれ、ロビーのえりくびをつかんだ。