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『こういうやつ』
ライアンがなぐさめるようにロビーの肩をたたいたとき、ひくくうなっていたコルボクをおさえなおしたケンが、噴き出すようにわらいをもらした。
「 ああ、やっぱり、『こういうやつ』がいちばんあぶないよな 」
「コルボクか?彼が『狼男』を?」
ライアンの質問に、そんなわけねえだろ、とこたえたにやけ顔は、じっとロビーをみつめる。
「『狼男』の口を封じるのに成功したロビーのことだ」
「おい、なに言ってんだ?いいか、ロビーは狼男につれだされて殺されそうになったんだぞ?」
「ああ、あんた見てなかったもんな。残念だな。すげえ正確な射撃だったぜ。しかも、銃をウィルから奪って、コルボクが反応するより前に撃った。 立派なもんだ」
「ロビーはもともと射撃の腕はいいんだ。保安官の競技会でも、ハンドガンのほうではいつもトップだ」
ロビーをかばうようにライアンが前にでたところで、「ナイフは?」とまだつかわれた銃を片手にぶらさげたウィルが前にでて、もう片手をロビーにだす。