みろ!
このあたりからまた、血の表現多くなります。ご注意ください
むこうでたおれていたコルボクと『狼男』が、いっしょに立ち上がろうとしている。
それをみて、ロビーが悲鳴のような声をだした。
「だめだ!そいつに手をかすな!はやく殺さないと、スーフ族とおなじように、ぼくたちがやられる!」
からだは離したが、ザックの腕を、すごい力でつかんできた。
「あいつは危険だ!サマンサの家までスーフ族をおいかけてきたんだ!それでライアンのすきをついて残りのスーフ族も家のなかで殺して、それからぼくも殺そうとおいかけたんだ!」
うらがえるような声で叫び、つかんだザックの腕をゆする。
顔や髪だけでなく保安官の上着までも血まみれだった。大声で叫び続ける様子はあのおとなしい印象のロビーとは別人のようで、怯えと恐怖がザックに伝染しそうだった。
「みろ!あのスーフ族も殺される!」
ロビーがまた腕を掴んでくる手に力をいれて叫び、ザックはあわててむこうのコルボクと『狼男』を確認する。
やはり『狼男』は『ケガをして』いて、『助ける』と宣言したとおり、コルボクは肩をかしている。