表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
202/260


「教会で、エボフがタタと言い争ってたのがそれか?」


 うなずいたコルボクが手袋をとった片手をたてると、小指を折る。

「 アマンダと『狼男』は夫婦になる。そのアマンダをダゲッドム族からもらう代わりに、『狼男』のあつめた薬やその『知識』すべてを、ダゲッドム族にわたす」

 となりの指をまた折る。

「山にある教会は『狼男』が建てたものだが、そこにアマンダとくらす。その教会はこれから先住民族たちが交流するためにもつかい、話し合いにもつかう。『狼男』はそうして先住民族たちに常に見張られることになる。 教会で顔を合わせる民族同士でもめごとが起こった時は、温和なパレレ族がもめごとをおさめる」

 ここで、三本目の指を折ろうとしたコルボクが、考えるように間をおいた。

「 ―― この《掟》をきいたダゲッドム族は、それなら『狼男』の『家』ももらおうと言い出した。それに、夫婦になるふたりに、もう教会の山からおりてこないように言った」


「まあ、そこは、アマンダが事故で死んだことにしたってのもあるとおもうよ」


 ルイがダゲッドム族をかばうようにいいそえるが、スーフ族の男は首をふった。

「 ダゲッドム族は、二人に腹をたてていたんだ。 『狼男』はダゲッドム族の娘をえらんだのに、ダゲッドム族になることは拒んで、山の上で暮らすなんていうし、アマンダは、先住民族はそのうち数がへっていなくなるから、『狼男』の知識は、もっとみんなで分け合うものだと言って、みんなを怒らせた」


「なるほど。賢いひとだったんだな」

 ルイが、つぶやく。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ