198/260
彼とその仲間の種族
ここでルイがわらうように、「《部位》ごとに分けた肉の料理かな?」ときくと、ふしぎそうに目をむけたコルボクは、そうだ、とつづけた。
「 ―― 彼とその仲間たちはこの大陸をわけあい守っている種族で、おれたちよりもっとあとからやってきたやつらに、《貴族》とよばれるようになった」
ここで、警備官たちはいっせいにウィルをみた。
「いや。・・・しらないよ。ルイじゃないんだから、なにか知ってたら全部話してるよ」 めずらしく本心から戸惑ったようにみんなの顔をみる。
コルボクが驚いた目をむけ、まさかその男、『貴族』なのか?と口をあけた。
「そうか。 ・・・おれたち先住民族を、『はじめてみた』っていうやつらの気持ちが、いまわかった」
「そりゃ、どうも」
ほめられたことにしておくと前髪をはらった男は、それで、狼男のディナーに呼ばれたのは、スーフ族だけ?ダゲッドム族は?とはなしをもどす。