193/260
ファイル№29 ― 休憩
ファイル№29 ― 休憩 ―
ジャンいわく、『奇跡的』にライアンに連絡がとれたあと、川沿いからまたのぼって山の上の道にもどったが、またしても強風に雪がまじりはじめ、視界がわるくなりすぎたため、バートが休憩を宣言した。
いそいだほうがいい、とせかすコルボクと目をあわせた《警備官》のボスは、「おちつけ」とひとことでスーフ族の男をおさえつけ、同情したジャンが、サマンサのところにはライアンとテリー、アニーたちもいるから安心しろとほほえみかけ、雪を掘るように指示した。
コルボクはまだなにかいいたそうにしていたが、ケンが、これは雪を掘る道具だと言って『シャベル』をわたすと、怒りをぶつけるような勢いで掘り出した。