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ドアを破壊
『 なんだかエボフが息子のコルボクをつぎの長にしようとしてるのが気にいらないらしくて、自分たちだけでも狼狩りはできるってタタに売り込んできてたんだよ。 それなら『狼男』も狩れるだろうっておもって、あたしが頼んだんだ 』
「・・・サマンサ・・・いろいろ聞きたいことも言いたいこともあるんだが、いまあんたに頼みたいのはひとつだけだ。いつも玄関にかけてる五つの鍵をはずして、アニーたちを中にいれてくれ」
『 占いでそれが《良い》って出たら、 』
なにかの衝撃音と老婆のわめきたてる声にかさねて女の大声がして、つぎに電話口から甘いメリッサの声がした。
『 ねえ、保安官きいてよ、やっぱり呼んでもサマンサは出てこなかったから、いわれたとおり、ドアぶちこわして入ったわ 』
「ごくろうさまメリッサ。 アニーに、おれたちが行くまで、二階の奥の部屋に立てこもってるよう言ってくれるかい?」
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なので、ライアンたちがついたとき、玄関のドアは脇に立てかけられ、サマンサとアニーたちは二階にいた。