表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
180/260

※※ ― 相談





 

   ―― ※※ ――




 娘は踊っているときと同じかろやかさで手をにぎり、おなじ目まぐるしさでさまざまな表情をみせた。



 彼の好む時間のことを、おひるねの時間とよんで、娘はほんとに眠ってしまう。


 この時間がずっと続くように彼は娘に『仲間』からはなれ、自分といっしょに暮らしてほしいと願いでた。


 娘はほほえんで、うけいれてくれた。



 だが、彼女の『仲間』たちには、怒る者もいた。




 このことを相談したのは、《狼》を神のつかいだとよぶ男だ。


 彼はうたうように、ふたりは恋におちたのだからしかたない、と言った。


 言ってから、むずかしいことになるぞ、とうなるような声をだし、なぜか腹をたてたように、指でテーブルをたたいた。



「 おまえさんは、おれたちにとっては《神のつかい》の仲間だが、ダゲッドム族にとっては、もっとちがう存在だ。あいつらの《神》そのものに近い。 それなのに、その《神》が仲間の娘と恋におちたといえば、《神》は《神》でなくなるぞ。  ―― そうだ、えらそうに娘を差し出せ、と言ってやった方が《神》らしくていい。 いままで、おまえたちに分けた知恵の代価だと言ってやれ」



 代価?いや、彼女にかわるものなんてない、とこたえると、男は煙草の葉をとりだして口に含んだ。


 しばらく噛んでから暖炉のほうへゆき、火の中に吐き出した。



「 あんたには、おれたちはいろいろな借りがある。 だがぞれを、ほかの種族のまえではいいたくない。 ―― こうしよう。もしこの先、ダゲッドム族があんたのことを《危険な生き物》だと言い出したりしたら、おれたちであんたを『狩る』という。 やりかたは、バーノルドの森の魔女たちにも伝わる、《銀の弾》で退治するやり方だ。 あんたに《銀の弾》が通用しないってことは、人間だとこのおれしか知らないんだろう?」



「あとは、アマンダだ」


 

 このこたえに、スーフ族のおさは手を打ってわらった。





  ―― ※※ ――





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ