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わざと
それってつまり、とザックはスーフ族の男の遺体をじっとみた。
「 ・・・狼男は・・・じぶんの力をかくして、・・・わざと連れ去られたって可能性もあるわけ?」
ザックのことばに、コルボクが驚いたように顔をあげ、警備官たちをみまわした。
「可能性でいけば、ここでリーダーが変わったって可能性もあるだろ? スーフ族内で内輪もめがあって、こいつだけ片付けられた。 か、《スーフ族》対《狼男》ってなって、《狼男》がリーダーを消して、かわりに自分がリーダーになるパターンだ」
ケンが嬉しそうにむこうの足跡をながめる。
「《狼男がリーダーに》って。 だって、みんなライフルもってるんだろ?」
ザックがコルボクをみると、あと二人はもってるはずだ、とウィルがもっている、落ちていたライフルをみていう。
「でもこれだって、ケースから取り出せなきゃ意味ないよ。 これって、矢の方が取り出しやすかった結果じゃないの?」
ウィルは毛皮をきた遺体を目でしめす。