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ファイル№23 ― 掟
ファイル№23 ― 掟 ―
これに、みんながいっせいに、部屋の入口から半分だけ顔をだしているタタをみる。
「なに?『狼男』だって? いや、ただの『狼』のまちがいだろ?なあタタ?」
タタは、わらいをうかべたエボフのといかけに、おびえるよう身をすくめた。
エボフがこたえをまっているのがわかると、おおきく唾をのみこむよう喉をうごかし、小声でこたえる。
「・・・サマンサが、そうしたほうがいいって・・・」
ああやっぱり、とテリーが壁にもたれたまま顔を両手でおおう。
それを見て、エボフは二人をみくらべる。
「 なに?どういうことだ? おい、テリー、おまえたちダゲッドム族だけでなにか企んでるのか? タタ、おまえはパレレ族としての誇りがないのか?民族同士の『掟』を監視する役目はどうした?」