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『聖地』
「 タタはパレレ族だ。テリーはダゲッドム族、おれたちはスーフ族。 そのほかの先住民族も、この《教会》には集まってくる。ここはおれたちにとっての『聖地』だ」
わかるか?というようにエボフは切り株のひとつに座り、ザックとケンもすぐに座ったが、ほかのみんなは立ったままだった。
「そして、どうしてここが『聖地』になったかわかるか?」
スーフ族のボスは座ったふたりにきく。
「『狼男』をここに、とじこめたから」
ザックがこたえる。
「《退治》したからだ」わらって訂正される。
「でも、狼男はいきてるんだろ?」
ケンがきくと、スーフ族たちはわらった。
「当然だ。 《狼》はおれたちにとって神のつかいだ。 その化身の『狼男』をおれたちが殺すなんて、とんでもない」