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教会の『じいさん』
『じいさん』なんてケンがいうので、ウィルの農場にいるトムみたいな年寄りがいるのかと想像していたのだが、顔をだしているのは、ライアンたちよりもからだの大きな肌艶もいい男だった。
テリーとおなじような髭をはやし、白いものはまじっているが、こちらのほうが量も豊富で、しっかりと生えている。
男はライアンとテリーの言葉にうなずきながら、ザックたちのほうをみた。
「 パレレ族か。 からだのでかい先住民族だっていうが、はじめてみた」
ちかよりすぎない位置で立ち止まったジャンが腕をくみ、感心したように教会をみあげた。
ドアをひらいたタタがわきにどき、テリーが先に扉の中へ入ると、いきなりライアンの鼻先でドアがしめられた。