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ファイル№21 ― 教会めざす




  ファイル№21 ― 教会めざす ―





 あけた朝にはきのうの風はとまり、青い空もみえたのに、山小屋を出発して進みだしたとたんに曇り、あっというまに、また風がつよまりだした。


 だが、昨日と違って空から雪は落ちてきていないし、地面の雪が舞い上がるほどでの風でもない。

 ただ、時間が経ったらまた悪くなりそうだ、とテリーが嫌なことを言う。


 昨日のぼってきたルート上にもどり、さらに奥にある教会をめざしてゆく。

 これなら二時間くらいでつくよ、とルイが腕時計をみた。



 生えていた木がもっと少なくなると、あちこちに、きのう風よけで頼りにした岩の、小さい版がめだつようになり、斜面の角度が急なものになっていった。

 その角度がどんどんひどくなってゆき、雪の壁のようになったとき、先頭のジャンたちが止まった。




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