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どちらを信じるか
「襲いかかってきたら?」
ルイのもっともな質問に、こきざみに首をふる。
「ないよ、ない、ないはずだ」
「ないって思いたいんだろ?『サミーはそんなことしない』って」
またしてもケンがにやけていうと、しない!とさけんだテリーがたちあがる。
落ち着け、とライアンが寄って背をたたく。
それにはげまされたのか、テリーが正面からみんなをみた。
「 この、《山小屋》だって、もとは彼のものだ。 サミーが、自分の家としてここにたてて、それを、おれたち先住民族が奪ったんだって・・・。 そうして彼は、あの教会にとじこめられた。 ・・・ だけど、それは、かあさんからきいてた話とちがうし、タタも違うって言う。 ・・・どっちを信じたらいいのか、おれはもう、 よく、わからないよ・・・」
いいきったテリーの顔は、泣き出しそうなものだった。