表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
141/260

宿泊施設


 テリーが、まるで自分がほめられたようにうなずいた。

「ここまで登ってこの山小屋をつかう人間は限られてる。フォロッコからアペレ山に入っても、教会から先はいきなり切り立った崖ばっかりで登山ルートはないし、あの崖は素人にはのぼれない。 モーティス山脈をめざすプロの登山家は、こっちからはのぼるなんてないから、ここまで登ってきてこの山小屋をつかうのは、ちょっとした山登り気分をあじわいたい人たちだけだよ。 日帰りで気楽にキャンプに来るところでもないから、ガキにあらされることもないし、夏場は、かあさんとタタで、予約制の宿泊施設としてひらいてる」


 暖炉そばの揺り椅子をゆらしたテリーに、金をとってるのか?と台所の椅子にすわるライアンが、いぶかしげにききかえす。


 だって、とすこし怒ったような声がかえる。

「 ―― ここの山小屋は、教会と同じ扱いで、先住民のものだよ」


「まあ・・・たしかにそうだが・・・。『予約制』で経営してるとは知らなかった」


 とがめられたのかと思って身をのりだして言い訳をしようとしているテリーに、ロビーが手をふって、だいじょぶだよ、と安心させる。

「ぼくは、なんとなく知ってました。山小屋まで案内する係のテリーの家をきいてくるひとたちが、みんな、《上流階級》っぽいかな、とおもっていたので・・・」ちらりとライアンをみる。


 視線をうけた男は首をふりながら、へんなところで気をつかってくれたわけか、とロビーとテリーをみかえした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ