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だれも教えてくれなかった


 めずらしく、A班みんなそろった内勤の日。


 たまった書類の片付けやなんやで机に座りっぱなしが飽きてきたころ、おくれて出てきたニコルが、『来週から休暇をとる』ということをみんなに知らせ、すぐにケンを指さし注意しはじめたのだが、それもしかたないようだ。


「それって、あれじゃん 」

 ザックが書きかけの書類から顔をあげ、「 マーキングだ」とペンを振り上げたのにケンが野球のボールを投げつけ、あいだのルイが打ち返したのがドアに当たる前に、それがひらいた。



「 ―― 室内で野球をするなって、だれも教えてくれなかったのか?」


 ボールを手にした日焼けした男がはいってきた。


 鼻筋から顔の真ん中に大きな傷あとがはしるレオンは、首元にはタイではなくストールを巻き、薄手のウールの洒落たロングコートを着ていた。

 制服姿からかけはなれたその格好をじっくりながめてしまったザックは、そういえば、この自然保護区の保安官である男の恋人が、モデルだときいたのを思い出す。


 入ってきた男に、ルイが代表して、ごめん、と謝ると、ウィルがコーヒーでも飲む?とポットの残りをゆすってみせた。


 ボールを返されたケンはそれをまた机の引き出しにしまい、のぞきみえた引き出しの中身にニコルが顔をしかめる。



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