131/260
信じる派?
まあね、とうなずいた貴族様は、「先住民族たちにもっと大切だったのは、『魔除け』の作用だよ。 どうやらスーフ族は、おれたちにその『魔除け』が必要だと思ったらしい」と真顔でいうと、大事そうに、おくられた袋をポケットにしまった。
「 ―― だって、『魔除け』って、いわゆる『おまじない』だろう?」
ライアンの反応に、ケンがにやけた顔で、『そういうの信じない派』だな?と指をさす。
「信じるも信じないも、『そういうのは気のもちようだと思ってる派』だよ。 A班は、やっぱり『そういうのを信じる派』なのが集まってできた班なのか?」
「「「 まさか 」」」
警備官三人のさけぶような声が重なり、意外におもったライアンはふきだした。
「まあ、『中央劇場の呪いをといた』とかいう噂も、バーノルド事件は、『警備官なくして解決はなかった』事実を、認めたくない警察官がながしたんだって、レオンからきいたよ」
顔をみあわせた警備官たちは、想像にまかせるよ、とそれにはこたえなかった。
雪が静かにふりはじめたのは、それからすこしあと、昼の休憩をとる少し前からだった。