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当たったのは
「きいてたから、ちゃんと、あしもとには注意してるよ」
「 っウィル!!」
さけんだケンがとぶようにはしりだし、タックルした。
二人が倒れたそばの雪には、飛んできた矢が一本ささっている。
「 ・・・おい、・・・ケン・・・」
「礼ならいいって」
「言うわけないだろ?おまえなあ、矢はあたらないのわかってるくせに、どうしておまえが当たってくるんだよ?」
「ウィルが好きだから」
「・・・ザックとちがっておまえに言われると寒気がするな」
「気をつけろ!」
ライアンのさけびごえがして、雪に倒れこんだままのケンとウィルのすぐ横に、またしても矢がつきささる。