道で会ったときは
保安官はおおきく息をはきながら、テリーにうなずいてみせ、肩をたたく。
「とりあえず、教会に行って、おれたちはその『狼男』に会う努力をする。テリーにはそれを助けてほしいんだ。いいたいことはわかってるけど、確認が必要だ。そう、『狼男』本人にあえれば、いろいろ片付く問題もありそうだ。 それと、もし、途中の道でその『狼男』に会ったときの対応は、きのう話し合った通り、なるべく確保するほうこうだ」
最後をほかの男たちへむけ言ったのに、反応したのはテリーだった。
「だめだ、『なるべく』じゃなくて、ほんとうにやめてくれ。 銃を撃っていいのはほかの『野犬』とか、ピューマとかの大型の肉食動物を追い払うときだけにしてくれ。この山に棲む野生動物たちは、人を襲うことなんてめったにないんだ」
ここではじめて、大きな声もだせると証明したテリーに、ザックが代表してこたえた。
「安心していいよ。みんな基本的に、人間より動物に対して優しいからさ」
それ、合ってるかもとルイもわらい、きみはどっちの班でゆく?とテリーにきいた。
当然のようにザックをゆびさしたテリーは、しんがりについて、左右と後ろはまかせろとうけあった。
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