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おれたちと同じ
ロビーはなんだかもどかしかった。
「そのつまり、・・・、テリーは、すごく、純粋なんだよ。ここでしか暮らしたことがないし、学校も行ってないから大人数に慣れてないんだ。 ちょっと独特な教育をサマンサから受けてるってだけで、感覚がずれてるって感じるかもしれないけど、彼は、 ―― 」
「『変わり者』ってことなら、おれたちと同じだな」
ジャンがロビーにやさしい笑みをむける。
どうやら、あせっていたのはロビーだけのようで、ライアンも問題ないようにうなずいてみせた。
「銃の腕はいいってきいてるから、テリーはおれたちの班にほしいな」
ウィルが言うが、本人の希望があるだろ、とジャンに一蹴される。
ザックがなにかに気づいたように顔をあげる。
「 ―― もしかして、教会にいったら、おれたちも『狼男』に会えるのかな?」