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ファイル№15 ― 古い写真
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いっぽう、ライアンの家にはいったルイは、この家とおなじように、ずっと歴代の保安官にひきつがれているだろう『家具』たちにひきつけられ、ジャンにとめられなかったら、とりひきの交渉をはじめるところだった。
「 まあ、この家の備品ってわけじゃないけど、あってあたりまえの棚とかテーブルだから」おれの一存じゃ売れないよ、とライアンにいわれて、どうにかあきらめはついたが、台所におかれたティーカップ用のフックがアーチ状につけられた食器棚を、愛おしそうになでている。
二階の部屋に荷物をおいたジャンが、いいかげん荷物を上に持って行け、と命じ、ルイといれちがいでおりてきたバートは、二階の与えられた部屋からみえる『杭』でできた塀についてきいた。