<99>程度
寛ぎの気分にも程度の差というものがある。ある人は、こんなことでっ!?… と思えるほど小さなことでも寛げるし、またある人は、どんだけぇ~~っ! と流行語になったような大きなことでも寛げない・・といった程度の差を見せつけるのである。なんでぇ~~! と、思わず訊ねたくなるような程度の差が事実、存在する訳だ。^^
下北は寛いでいた。いつものように淹れた一杯の茶を啜りながら、である。寛ぎの一杯は必ず出涸らしでなければならない・・という下北独自の拘りがあった。番茶も出花だろっ! とは誰しも思うところだが、下北の場合は出花の茶は最悪だったのである。人もまあ、いろいろといる訳だ。^^
その日は休日で、役所勤めで友人の南上が遊びに来ていた。下北は、ここぞっ! とばかりに出涸らしの茶を淹れた。南上も自分と同じ感覚だと早合点したのである。南上は寛げず、こんな茶、よく飲めるな…とは思ったがそうとも言えず、笑いなが下北の顔を見て飲み干した。下北は下北で、美味いでしょ? と寛ぎながら南上の顔を見て笑った。
このように寛ぎの気分は一人一人異なり、程度の差がある訳です。^^
完