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<92>大衆伝達

 大衆伝達・・要はマス・コミュニケーションである。

 敗戦後の昭和ニ、三十年頃を懐古すれば、日本には新聞、ラジオ以外に社会で起きている出来事をつぶさに知る方法はなかった。…と言えば、悪い時代に思えるが、実はそうではなく、いい時代だった…と振り返れるのである。それは何故か? と考えれば、知らなくてもいい内容を知らずに済んだ・・という理由があるからだ。最近の社会は余りにも情報技術[IT]が進歩し過ぎた結果、関係ないトラブルや知らずに済む情報を知ったばかりに(くつろ)ぎ気分が消え去るというデメリットを抱えている。当時に戻りたい…と思うのは私だけだろうか。^^

 とある温泉宿である。部屋のテレビがガナっている。

『小樽市の近郊で、捨てられていた子犬が保護されました』

「ふ~~ん。それはよかったが、ここは鹿児島の指宿だぞ…」

 客の豚尾は、テレビ画面を観ながら独りごちた。

「まあ、いいか…」

 そう付け加えると、豚尾はソファーから立ち上がり、外の砂風呂へと向かった。テレビじゃ寛げんな…と諦念したのである。

 掘り返された砂風呂の中へ係員に誘導されるまま、豚尾は蒸し焼きの美味そうな焼肉になったということはなく、いい心地で寛いだ。

『やはり三次元だな…』

 砂風呂の中で顔だけ出し、いい気分の豚尾は、ふたたび独りごちた。

 現在はこのように二次元媒体では寛げないtoo much な時代に立ち至っています。現実の大衆伝達を避け、三次元で寛ぎ気分に浸るのがいいようです。^^


                  完

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