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<8>無理をしない

 無理をしなければ気分的な余裕が生まれ、(くつろ)ぎの気分が自然とやってくる。逆に無理をすれば、慌ただしさで失敗もする上に、寛ぎ相場の話ではなくなるから注意しないといけない。

 梅雨が明ればと、[梅雨明け十日]と言われる夏山登山としては格好の安定した天気が続く気候となる。

 漆原(うるしばら)は山登りが好きで、中学一年の頃、田舎に住んでいたが、その村の風習めいた行者講に参加して霊山に登ったのがきっかけで登山を時折りするようになった。そして、この夏も北アルプスの白馬岳登山をしていた。白馬大雪渓の入口でアイゼンを登山靴の下に付けピッケル片手にサクサクと登っていった。観光専門の地元登山ガイドがおり、無理をしない程度の速さで一歩一歩、登っていった。登っていくにつれ高度も増し、冷んやりした冷気が心地よくなる。下界だとこの時期、暑さで汗がダラダラ流れるのだが、山岳高地だからその辛さもない。ただ、上がり勾配を登るしんどさだけは仕方がないが、それも無理をしない速さで登っていけば、思うほどしんどくはなかった。

 そうこうして辿り着いた白馬岳の頂上に立てば、上空は快晴の青空、下界の展望が開け、遠方には雪を被った高山の連峰が望めて疲れも吹っ飛んだ。

♪ここは白馬ぁ~雪渓一里ぃ~ ピッケル片手にサクサク登りゃぁ~♪

 ガイドが名調子の声で白馬小唄を歌い、それを聞く漆原の寛ぎ気分は一層、増していった。

 無理をしないことが、寛ぎ気分を味わえる条件の一つであることに間違いはないようです。^^ 

 

                  完

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