<79>体調
体調が悪ければ当然、寛ぐことなど出来ない。体調が悪い状態で寛ぎ気分を得るためには、早く体調を回復するか、あるいは体調が悪い状態でも寛げる方法を考える他はない。寛ぐには寛げるだけの寛げる状況を作る努力が必要な訳で、なかなか難しいのです。^^
樽井はここ数日、体調を崩し、新年会にも出られない状況で寝込んでいた。
会社では、毎年、樽井の余興を楽しみにしている課員の二人が昼休みにブツクサと樽井の噂をしていた。
「あいつ、課長補佐代理代行になったもんだから、見違えるように仕事してたからなぁ~」
「そうそう! 無理が祟ったんだよ、無理がっ!」
「しかしなぁ~、私は樽井のアノ余興を楽しみにしとったんだよっ!」
いつの間にか話に加わった課長補佐代理の枡口が二人に割って入り、四角く口を挟んだ。
「課長補佐代理、おられたんですか…」
二人は悪びれ、借り物の猫となった。
「いや、それは私も残念なんだっ!」
枡口から遅れて外食から戻った課長補佐の塩味が、グビッと飲むように加わり、割って入った。
「課長補佐、戻られたんですか…」
枡口は借り物の猫に態度が変化し、借り物の猫は合わせて三匹、いや三人となった。
「やはり樽井君がおらんと新年会は寛げんな…」
いつ現れたのか、課長の銚子が赤ら顔で四人の話に加わり、借り物の猫は四匹、いや四人となった。
体調が寛ぎに大きな影響を与える・・という一例のお話でした。^^
完