<70>意識
成るに任せて余り意識しなければ、思った以上に寛ぎ気分になれるということがある。要するに、深く計算しないで♪時の流れに身を任せ♪る訳である。別に、かつて某有名歌手が歌ったヒット曲を宣伝している訳ではない。^^ 意識することで、自ずと行動の勢いが削がれるということになる。恋焦がれた異性に告白する場合などもそうで、そんな心境ではデートしを重ねたって心底、寛げる訳がない。
秋の清々しい空気が流れる中、とある会場でスポーツ競技の世界大会が行われている。現在行われている競技は、走り高跳びだ。
実況中継しているゲスト解説者とアナウンサーの会話だ。
「どうなんですかね? 2メートル35に上げましたが…」
「予選はすべて一発クリアでしたし、調子がいいようですから…」
「跳べると?」
「まあ、意識しないで跳ぶのを楽しむ気分なら…」
「寛ぎの気分ですね?」
「そういうことです…」
二人がアレコレ言っている間に、注目の選手は上がったバーの2メートル35を見事に跳び越してクリアした。
「ねっ! 言ったとおりになったでしょ。意識しなかったんですよ、きっと…」
「ですね…」
結果はどうであれ、余り意識せず寛ぎ気分でコトを処せば、物事の大半は割合、スムーズに流れるようです。^^
完