<69>コンプライアンス
コンプライアンスが強化されるにつれ寛ぎの気分は消え、社会は沈滞していく。様々な形で人々の暮らしが絞めつけられる社会の現状は実に嘆かわしい。というのも与党さんが強いからで、野党さんは? と問えば、残念ながら存在しないに等しいのだから致し方ないと言えば致し方ない。与党さんに取って代わる野党さんが存在しないのは、与党さん以外が政策集団[グループ]に変貌しているからに他ならない。コンプライアンスの強化を押しとどめる力は、偏に与党さんに取って代わる組織が存在しての話となる。与党さん以外の国会議員さん、風呂屋の浴槽[湯{言う}ばっかり]では困りますからアレコレと言い合ってないで、頑張って戴きたいと存じます。^^
ここは、とある町の公民館の休憩室である。
「ほんと、困るよっ!」
「何がっ!? 」
「仕方ないから方法を変えたよ」
「何のっ!?」
矢崎に突然、話しかけられた蕗尾は意味が分からず、訝しげに問い返した。
「風呂だよ、風呂っ! 液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律だよっ!」
「よく覚えたな…。その法律がどうかしたのか?」
「業者が点検に来たんだがな、設置の安全基準が強化されたらしく使えなくなったんだ…」
「俺に言ったって仕方ないじゃないか…」
「ああ、まあな…。国会の与党以外は風呂屋だから当てにならんしな…」
「言う{湯}ばっかりか、ははは…。そういや、血圧の基準80~130が75~125になった…」
「生きづらくなってきたな、いろいろと…」
「確かに…。のんびり寛ぎも出来んな…」
かくして、矢崎と蕗尾の愚痴は延々と続いていくのであった。
コンプライアンスから国民を守り、人々が寛げる組織[党]が生まれることを切に乞い願い、このお話を終わることと致します。^^
完