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<55>血糖値

 年齢を重ね、老いを感じるようになると、インスリンを毎日、注射しながら血糖値を気にする日々となる。当然、(くつろ)ぎ気分などになれるはずがない。^^

『143? 妙だな…』

 菊川はその日もインスリンを注射し、血糖値を測定していた。ただ、いつもよりは測定値が20~30ばかり高かったので、ギクリ! としたのである。所用を済ませ、寛ぎ気分に(ひた)ろうとしていた矢先だったから、この事実は菊川に衝撃を与え、ショボく(しぼ)ませた。しかし、いつまでも萎んでばかりいられないのが日々の暮らしである。アレもあればコレもあり、ナニもない日など菊川にとって一日もなかった。これでは辛いこと、この上ない。菊川は、ああ嫌だ嫌だ…とアレコレを思い意気消沈した。思い当たることといえば、昨夜、チョコレートと菓子を多めに食べたことである。他には…? と記憶を辿ったが、他に思い当たるようなことはなかった。

『もう一度、測るか…』

 何のことはない。再度、測定すればいいだけの話だ…と菊川は(ひらめ)いた。だが、再び測定したとしても測定値が高い可能性がある。注射針や薬液にゆとりはあったが、そうするのも如何なものか…と、国会で質問する議員のような気分になった。ただ、一度気になり出した以上、解消しないと寛ぎ気分にはなれない。

『やはり、測るか…』

 菊川はもう一度チャレンジすることにした。さてその後、どうなったか? が気になるところだが、残念なことに私は知らない。菊川さんが寛ぎ気分になられたことを祈りながら、この話を終わることに致します。^^


 ※数日後、聞いた話では112だったそうです。よかった、よかった!^^


                  完

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