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<4>旅

 人はなぜ旅に出るのか? それはまあ、好むと好まざるとに関わらず、いろいろな場合があるだろうが、世知辛い今の生活をほんのひととき忘れ、ゆったりとした(くつろ)ぎの時間を持ちたい…ということに変わりはないだろう。

「明日は早めに出よう!」

「はいっ!」

 宮崎は妻の房江に偉そうに言った。普段、何かにつけてアアした方がよいコウした方がよい・・と言われ、ソウしていたから、旅に出る前夜、一度ぐらいは主導権を握ろうと(わめ)いたのである。房江もそれが分かっていたから、敢えて言い返さず従ったのだった。今夜は嫌に素直だな…と思った宮崎だったが、深くは考えなかった。旅に出る前のひと悶着は避けたかったからだ。

 翌日の早朝、二人は四時過ぎに起き、五時過ぎには旅の人となった。宮崎はひと月以上前からこの旅の綿密な計画を立てていたから、その行程と予定には自信があった。旅の安心は寛ぎ気分を増長させる。ところが、である。その日に限って列車の遅延や道路の渋滞が起き、宮崎の描いた計画はほとんどが夢のまた夢になってしまったのである。これでは寛ぐどころか疲れる旅だった。

 それ以降、宮崎は旅をする場合、着の身着のままで旅に出ることにしている。それが結構、寛ぎ気分を味わえるメリットに気づいたからでもある。

 旅は軽く出た方が寛ぎ気分を味わえるようです。^^


                  完

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